2015年05月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

匠工芸 早さとチームワークで作る「ウッドペッカー」

テーブルセット2

ウッドペッカーで使われている主要材料は、
ハードメープル材です。
ハードメープル材による整形合板で
ルーローの三角形を作っています。
ハードメープルは家具用の木材の中でも
かなり暴れやすい材料です。
h3.jpg

暴れやすいとは、
家具で使う木材は加工中や製品になってから
狂ったり反りが出たりねじれたりしないように、
生の木を乾燥させ水分を10%以下に天然乾燥と
人工乾燥の機械で乾かして使っています。
生のままだと生ごみと同じように腐ります。
木材といっても、元は樹木、植物ですので生ものと
同じです。 
ですから、言ってみれば樹木のミイラを材料としているのです。
ミイラ化して腐ったり、風化したりすることを止めて、
木材が変形しない状態をなるべく作り材料としています。
そり2

 しかし、そうやって木材を乾かしても多少の湿気を吸ったり
乾いたり、温まったり冷えたりすることで変形したりします。
そういったことの大きく出ることを木材が暴れるといいます。
 そのように材料をよく乾かして使っても、
ハードメープルの場合、暴れが大きく出る材料のため
加工、組み立てにはスピードが要求されます。
それは、加工後時間がたてばたつほど狂いが
大きくなってくるからです。
狂い(暴れ)が大きくならないうちに加工して形にしないと
余計な作業がどんどん増えてくることになるからです。
整形 2

 ウッドペッカーの場合、ルーローの三角形をつくる
フレームの材料を整形合板で形にしています。
整形後、そのフレーム材は時間とともに
ドンドン曲りが広がってゆき、その後の接合部の角度切りや
フィンガージョイントの加工がしづらくなってゆきます。
また、ルーローの三角形に接合して
形にするのも難しくなってしまいします。
そのため、整形後はなるべく早く加工して
ルーローの三角形に組あげる必要があります。

ウッドペッカーの製造は副工場長が中心となって、
整形、角度切、フィンガー加工、フレーム組の
分担された一連の流れの作業を、チームワークよく
タイミングを見計らいながら一気に行っています。
ルーローの三角形のフレーム以外の部材も
ハードメープルを使っていますので、それらの扱いも
同様に気を使って製造しなくてはなりません。
フィンガー2

このように、スピーディーに生産していても
ハードメープルの場合、変形が出てきますので、
接合部の角度切やフィンガー加工は、変形して曲がった量を
調整しつつ加工を行います。
そういったところが職人の技量と勘が必要になる
ところになります。
海外で安く生産できない、旭川の高品質なものづくりが、
こういったところにも見え隠れしています。

材料に気を使い、人やチームワークに気を使い、
速さに気を使い、製品の仕上がりに気を使い、
お店に並んでいる状態に気を使い、使う人に気を使い、
手をかけて製造し、製品のクオリティーを管理するところが
旭川家具だなーと私が思うところです。

ちなみに、よく形はかっこいい製品が、
お店に並んでいて、空調の関係や気候によって
接合部が切れていたり目違い(段差)が出ていたり、
あまり見た目の良くない材料を表の見えるところに
使っていたりする製品を、お店で見かけることがあります。

デザイナーや製造者が意図していないクオリティーの
製品を見かけると、これで良いのだろうかと
いつも疑問になってしまいます。
スポンサーサイト

テーマ : 生活・暮らしに役立つ情報
ジャンル : ライフ

匠工芸 ウッドペッカー

ウッドペッカー/ブラウン2
 「ウッドペッカー」のデザイナーは
フィンランドのミッコラさんです。

 ミッコラさんは、1993年の国際家具デザインフェア旭川の
コンペで木のハンモック「カラニ」で銀賞を受賞されました。>

木のハンモック


 当時、社長が木のハンモックを商品化できないか?
ミッコラさんに問い合わせたりし中井さんが検討してみたり
しておりました。

 私が匠工芸に在籍していた時でよく覚えております。

 しかし、諸事情で木の八モックの商品化は断念となりました。

 その時の縁がきっかけで、「ウッドペッカー」の
商品化についての話をいただいたとのことです。

02 のコピー2


 その結果、私が退社したのちですが中井啓二郎氏の
手によって、日本人の体形に合わせたサイズ等になおし、
前傾姿勢時に止まる角度などを修正し商品化に
こぎつけたとのことです。

 海外のデザイナーのデザインを購入して商品化する場合、
西洋人の体形と日本人の体形の違いからの
デザインや寸法の見直し、構造設計や加工機械の
違いから起こる生産方法の変更、さらに販売先や
契約内容など、検討確認や了承事項など商品化に関係する
作業は多岐に及びます。

 この商品の場合は、中井氏がわざわざフィンランドまで
出向き、内容を詰めて契約し商品化に至ったようです。

テーブルセット2

 当時、ミッコラさん自身も「ウッドペッカー」を現地の工房を
使い生産し現地で販売をしたりしていたようです。

 何より私がこの製品の好きなところは、作業したくて
前傾した時にぴたっと止まり安定し、
ゆっくり休みたくて後ろによりかかると
心地よくロッキングし、リラックスできるところです。

h3.jpg

 前傾時にピタッと止まる構造は、中井氏により修正され
オリジナルよりはっきりと止まるようになっているようです。

 日本人の感覚に合わせて修正したのではないかと
思われます。

 私個人としては、この止まって安定する感覚が
大好きです。

h2.jpg

 仕事を辞めて、プーでなければ私もほしいくらいです。
パソコン作業を仕事でしている妻などは大絶賛です。
購入するときは2脚買わないと取り合いになりそうです。

 いずれにしても、中井氏による日本人の体形に
合わせた設計の修正が成功している製品です。

 海外のデザイナーや外部のデザイナーから
デザインを購入して製品を開発する場合でも、
内部のデザイナーや設計者の調整作業や、
設計や製造方法の検討や変更など、
あるいは販売ルートの確保などの仕事が
大変重要となります。

 良いデザインを購入できたとしても、
その辺の作業が商品としての正否を分ける
場合があります。  

 内部と外部の開発スタッフにおける信頼関係
といいますか、パートナーシップについて
昔からよく考えさせられるテーマです。

匠工芸 昔話と商品開発の秘話

2

私が匠工芸に入った当初は、現在の社屋ではな
く旭川市内の東光に工場社屋があったころでした。
history-1983-01_thumb.jpg

東光の社屋に1年ほど勤務しその後、隣町の東神楽町へ
移転となりました。
1
3

新社屋(現在の社屋)は旭川空港から車で5分ほどの
丘の上にあり、眺めの良い場所です。
4

当時より外部のデザイナーによる商品開発をしておりましたが、
主は中井啓二郎氏と桑原社長中心となり
社内での商品開発をしておりました。

その当時よりよく言われていたのは、“匠らしさ”とは?
 匠らしい家具とゆう製品開発でした。

旭川家具の他社と競合しない独自のものづくりを
強く意識し商品開発をすること。

匠らしさをどうのように商品で表現するのかを
当時、中井氏とよく話しておりました。

商品開発にはデザイナーがいれば商品ができる
わけではなく、企業で製品を開発するには
ディレクター的な役割をする人が必要となります。

いわばディレクターがそのメーカーの商品性や個性などを
コントロールし、そのメーカーらしい商品を市場へ、
メッセージを込めて出して行くことになります。
ノースカップボード1
この画像は、当時社長のイメージを聞き、私がデザイン設計をして
試作をしたノース カップボードです。

当時は、いわば中井氏と社長が匠工芸の
ディレクターだったのです。

家具メーカーの場合、企業体が中小企業です。

家電メーカーや自動車メーカーのようにデザイナーを
雇用し、優秀なディレクターを育て、商品開発を
出来るような環境ではありません。

外部のデザイナーを使って商品開発をするうえで
重要になるのが、ディレクターになります。

家電メーカーや自動車メーカーでもデザインの仕事の
半分ぐらいは外部のデザイナーを使っていました。
(私が昔いた家電メーカーでは)
403.jpg

そこではディレクター的な業務を社内デザイナーが行い、
最終的にはデザイナーから専門のディレクターを養成し、
メーカー製品のクオリティーコントロールをする仕組みに
なっておりました。

では、そういった商品のクオリティーコントロールをする、
ディレクター的役割を中小企業の家具メーカーで、
誰がどのように担ってゆくのか? どのように継承してゆくのか? 

私の個人的な考えですが、そのへんが旭川家具の
以前からの、永遠のテーマのように思えます。

デザイナーは外部にいっぱいいます。

しかし、そのメーカーの商品性を熟知して、
クオリティーコントロールをするディレクターは
外部にはそういません。

内部よりどのようにディレクター的な役割を担う
人材を養成するか?

匠工芸の場合、中井氏も社長も健在ですので、
まだしばらくは大丈夫です。

中井氏や社長の匠らしさを、これからどのように継承しつつ、
商品開発を次の世代が担ってゆくのかが楽しみです。

匠工芸 「パロットチェア」開発秘話

パロットチェアも中井啓二郎氏の手によるデザインです。

この椅子の原点もマッシュルームスツールと同じく
ワーキングスツールにあります。
382.jpg

狭い場所で少しの時間腰掛けて作業ができる椅子。
座面の高さを変えることでより、多くの人の体形に
対応した椅子としてパロットチェアの原型である、
以前の商品ダックチェアがあります。

ダックチェアはデスク(ダックデスク)とセットで開発した、
短時間、軽作業用のデスクチェアです。
ダック 2

当時、家庭で普及していたラップトップ型の
ワードプロセッサーなどをリビングやダイニングで
チョット使うときや、子供がリビングなどで学習するとき
などように開発した商品でした。

家事作業の合間に日記や書き物など出来るように、
家事をしているときでも目の届く範囲で、
子供を学習させるときなどに便利でした。

女性の家事仕事や子供の面倒などをしながら、
家庭で使えるスモールデスクチェアとして開発されました。

当時、ダックで使っていた主要材料のカリン材は。
強度が高く朱色ポイ材色が美しいため使用していました。
(個人的には大好きな材です)

しかし年代とともにカリン材は貴重材種となり、
価格が高騰し入手しづらくなり生産を終えました。
(木製品で同じモデルを長く生産し続けることの永遠の課題といえます。)

その後材種を変え、作り方を見直し、
デザインしなおしたのがパロットチェアです。
384.jpg

ショールームで持ってみましたが、材種などを見直した結果
ダックよりも軽量になったと思います。

また色調も明るくなり、今の明るい色調の住宅に
マッチしたデザインに変身しています。

よく子供の学習椅子などで、成長とともに
座面の高さが変えられる椅子がありますが、
このパロットなんかはぴったりだと思います。
386.jpg

子供が成長すれは、大人用でも使えますし、
チョイ掛けスツールとしても、カウンタチェアーとしても
使えたりします。
385.jpg

長時間ゆっくり座るのでなければ、用途の広い長く
使っていけるよい椅子だと思います。

ちなみに、パロットチェアはノックダウン式の椅子です。
388.jpg

コネクターボルト2本を外すと、座面が外せて交換できます。
387.jpg

あとあと、座面が傷んだ時の交換や修理がしやすく、
座面だけでなくその他のパーツも交換できます。

ほんとに、子供から大人まで幅広く、長く使える椅子だと思います。

匠工芸「パロットチェア(PARROT CHAIR)」直販ページへ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。